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2023/12/13 | ニュース

天野実咲:「チームの一員でいれることを光栄に思う」

天野実咲がロングインタビューに登場

元なでしこジャパンのGKである天野実咲の加入は、クラブだけでなくデュッセルドルフ周辺の地域にも驚きを与えた。フォルトゥナの女子チームにとって天野が加わったことは願ってもいなかった幸運であり、その理由は彼女のサッカー選手としての経歴だけではない。今回、そんな天野がロングインタビューに登場し、自分の人生においてサッカーが果たす役割、ドイツでサッカーに携わりたいと思ったきっかけ、そしてチームメイトや監督、フォルトゥナ女子サッカーチームのスタッフらの助けを借り、どのようにしてあらゆる困難を乗り越えてきたかについて語ってくれた。

実咲さんは日本で育って、日本でサッカーの第一歩を踏み出しましたが、実咲さんがサッカーを始めたきっかけとなったのは誰ですか (または何ですか)?

「きっかけは私自身も覚えてないのですが、ただ小さい頃からサッカーをやりたいと思っていたのが理由で、小学校の時に始めました」

 

日本では東京電力マリーゼなどいくつかのプロチームでプレーし、2007年にはサッカー女子日本代表にも選ばれてワールドカップ中国大会にも出場しました。この大会にはどんな思い出がありますか?

「まず2007年という時期が、私にとってはゴールキーパーにコンバートしてまだ2年しか経っていなかったんです。なので、正直なところ代表での思い出は何もできない自分を突きつけられたので、辛い思い出が残っていますね。それでもやっぱり、3番手のゴールキーパーとしてでもW杯という舞台に連れて行ってもらえたのは私のサッカー人生においてすごく刺激的でしたし、大学リーグのレベルでは絶対に経験できないものだったので、それはすごく良い経験になったと思います」

 

日本で現役を引退した後、デュッセルドルフに来たきっかけはなんですか?

「現役引退後、キーパーコーチになってから初めてヨーロッパでの遠征があって、それがたまたまドイツでした。それで初めてドイツきた時、直感的に”私はここで生活したい”と思ったんです。それから数年時間はかかりましたが、ご縁があってデュッセルドルフという街に辿り着いたという感じです」

 

フォルトゥナ・デュッセルドルフとの接点はどのように生まれたのですか?

「2023年4月にドイツに来たのですが、その直後に浦和レッズでお世話になった方々がドイツに来られるタイミングでたまたま私も帯同させてもらうことになり、その時にフォルトゥナの廣岡さんと出会いました。私はドイツで女子サッカーに携わる仕事がしたいと思っていたので、フォルトゥナの女子トップチームの立ち上げのタイミングが重なった今、何がなんでもこのチャンスをものにしたいとお願いしたのが始まりです」

 

デュッセルドルフ (ドイツ)の環境に溶け込む、慣れる過程でどのような困難に直面しましたか?またその際、誰がサポートしてくれましたか?

「一番はドイツ語の難しさです。単語や文法は勉強していても、やはりコミュニケーションの部分で実際に話すとなると全然違うというのを痛感しています。それでも監督を始め、スタッフのみんなや、もちろんチームメイトたちが私の拙いドイツ語を我慢して聞いてくれますし、少し間違えたら優しく修正してくれたり、本当にチームのみんなにはサポートしてもらってます」

 

新しく設立したフォルトゥナの女子チームの一員になることは、実咲さんにとってどんな意味がありますか?

「私が渡独したその年に女子チームが始動すると聞いた時は、私はつくづくラッキーだと思いました。なぜなら、ゼロからチームを作っていくところを私は見たい、学びたいと思っていたからです。何より日本人の多い街のデュッセルドルフで、男子チームは非常に歴史が長いですし、そのクラブの女子チームの一員として歴史の1ページ目を築いていけることを光栄に思います。そして、チームの一員として受け入れていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです」

 

スポーツ、仕事、プライベートと、実咲さんにとって多く変化があったと思います。それぞれの分野で2024年はどのような目標を立てていますか?

「サッカーに関しては、まず確実に昇格して1つカテゴリーを上げるということ。仕事とプライベートにおいては、重複しますがやっぱりドイツ語がすべてだと思います。言葉ができるようになれば生活も豊かになるし、仕事の選択肢も増えてくると思うので、目標はドイツ語を上達することです」

 

ドイツでの将来のプランを教えてください?

「ざっくりとしてはやっぱりサッカーに携わり続けたいと思っています。でも、やっとドイツに来ることができて、日本とは文化も価値観も違う中で経験も違ってくると思うので、それを活かしてこれまで自分を育ててもらった女子サッカーに恩返しができるようなことをしたいと思っています」

 

天野実咲について、女子チームの担当者からのコメント:

 

Anestis Tsentemeidis監督:

「最初は言葉の面で難しい部分があったにも関わらず、実咲は驚くほど早くチームに溶け込み、自分の居場所を見つけました。我々はチームとして、廣岡太貴やチームマネージャーのAnna-Lena Knödlerとともに、実咲がこっちの環境に溶け込むために必要なステップはすべてサポートしました。また、この場を借りて、実咲の仕事を見つけるために多大な手助けをしてくれたEVKの責任者の方々にも感謝の意を表します。 このステップは、実咲が滞在許可を得るために特に重要でした。私の雇用主であるデュッセルドルフ労働者福祉協会 (AWO)の職業教育センターとともに、我々は実咲の仕事面でもサポートすることができました。 スポーツの面でも、人間的な面でも、彼女は我々のチームにとって絶対的な財産であり、特に若いゴールキーパーにとっては模範となる存在です。また、チームメイトが言葉の面でも彼女をサポートし、ドイツ語をもっと話すようにすることで、ゆっくりではありますが確実に言葉の壁を乗り越えようとしています。 実咲が我々のクラブを選んでくれたこと、そしてチーム全体としてどのようにインテグレーションが機能するか示せたことを嬉しく思います」

 

Lisa Weißコーディネーター

「実咲がデュッセルドルフで自分の道を見つけ、その非常に豊富な経験で我々の女子チームをサポートしてくれることを嬉しく思います。フォルトゥナ、EVK (Evangelischen Krankenhaus)、AWO Düsseldorfの素晴らしい協力のおかげで、ここデュッセルドルフで実咲の新しい故郷を見つけることができました」

 

Lasse Doepnerキーパーコーチ:

「実咲がチームの一員となり、チームにうまく溶け込んでいることを非常に嬉しく思います。 彼女の経験やモチベーションは、他のゴールキーパーたちにとって大きなプラスになりますし、彼女たちは実咲から多くのことを学ぶことができます。彼女と一緒に仕事をできるのが嬉しいですし、これからフォルトゥナで一緒に過ごせる時間が楽しみです」

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