「本当の意味での休みはない」
インタビュー:ユースアカデミーセンターのFRANK SCHAEFERダイレクターが昨シーズンと来シーズンについてコメント
フォルトゥナではプロの選手たちだけでなく、ユースアカデミーセンター (NLZ)のチームもほとんどがサマーブレイクに入っている。そんなオフの始まりに、ユースアカデミーセンターのFrank Schaeferダイレクターがインタビューに応じ、昨シーズンに見られた成長、U23チームのメンバー構成、2022/23シーズンへの期待などについて語っている。
Schaeferさん、フォルトゥナのNLZチームのほとんどが激動の2021/22シーズンを終えました。これからサマーブレイクに入りますが、どんな気持ちで休みに入りますか?
「NLZに本当の意味での休みはありません。決断しなければならないことをすべて良い方向に持っていけたという手ごたえを感じながら、試合のない短い期間に入ります。これは決して当たり前のことではなく、数多くの戦いや挑戦で成功を収めたことの積み重ねです」
まずはNLZで最年長のチームのシーズンを振り返ります。U23チームは前期は好調でしたが、後期は思うような結果が伴わなくなりました。レギオナルリーガのシーズンをどう評価していますか?
「このレベルの高いレギオナルリーガで11位というのは、チームにとっても監督コーチ陣にとっても大きな成功です。この順位は、素晴らしいシーズンスタートを切れたことが大きな要因となったこともわかっています。もちろん、シーズン中にTim Oberdorfという重要な守備の要がいなくなったことも忘れてはいけません。それでももちろん、我々はTimがトップチームに昇格したことを嬉しく思っています。シーズン後半戦は、このハードなレギオナルリーガで36試合を戦うのは非常に消耗が激しいですし、少人数だったこともあり、非常に厳しい状況を強いられました。十分に選手がいない時もありましたね…」
U23チームの選手の多くがトップチームでメンバー入りしましたよね。
「セカンドチームから6人の選手がトップチームの試合に出場しました。Paderborn戦での特殊な状況を考慮しても、セカンドチームの選手がこれだけトップチームで出場したのは、ドイツ国内でもそう多くはないと思います」
U23チームは昨シーズンのメンバーから11人がフォルトゥナを去ることとなりました。このような大きな選手の入れ替えはU23チームでは珍しいことではありませんが、その理由を教えてください。
「U23チームにおいてこのような大きな選手の入れ替えがあるのは普通のことです。Tim KötherやCan Özkanのように、上のカテゴリーへのステップに挑戦したい選手もいましたし、長い間このチームでプレーしてきた選手や、思うような結果が残せなかった選手など、一定の期間が来ると移籍が決まってしまう選手もいます。一方で重要なのは、新加入選手のためにポジションを確保しなければいけないということです」
U19チームから昇格する選手に加え、来季のU23チームには外部から既に4人の選手が新たに加入することが決定しています。フォルトゥナは他にどのような選手を探しているのですか?
「我々はいつも”典型的なフォルトゥナの選手”と述べています。これはつまり、経済的な面も考慮し、チームと共に成長でき、何よりもチームスピリットが高い選手であるということです。我々はオーバーリーガから獲得した選手においても良い経験を積んできており、Tim Oberdorfはその代表とも言える選手です」
クラブの象徴であるOliver Finkが現役を引退しました。今後の2シーズンは、昨シーズンのトップチームのキャプテンを務めていたAdam Bodzekがその役割を担うこととなります。”Bodze”との協働をどれくらい楽しみにしていますか?
「もの凄く楽しみにしています。”Finki”は本当に素晴らしい仕事をしてくれました。”Bodze”は少し違った形、彼なりのスタイルでその役割を果たしてくれることでしょう。彼はこの役割に情熱を燃やしており、ピッチ内外で若い選手たちの手本となれます。このような形で彼のような選手をU23チームに組み込むことは、フォルトゥナにとって間違いなく正しい道だと思います」
NLZ全体として、アカデミーチームの成長ぶりをどう評価していますか?
「Lukas Völkerの指導のもと、Dennis WaldingerやChristian Reischkeなどの優れたコーチ陣によって、ここでは非常に高いレベルでの育成の継続性が実現されており、それが非常に落ち着きのある良い成長へと反映されているのだと思います。この段階で順位はあまり関係ありません。また、基礎段階においては、Jari Richardsonの抜けた穴をJeremie Bootzでうまく補えたことを嬉しく思っています」
プロを見据えて:今シーズン、NLZの選手の中にはブンデスリーガ2部でデビューを飾った選手が何人もいます。昨年のLex-Tyger LobingerやTim Oberdorfといった選手に続き、U17チームのタレントであるMilan CzakoやDavid Savicが二種登録選手として長期契約を締結しました。現在のフォルトゥナのアカデミーからプロ選手を育成するというテーマについてはどう見ていますか?
「過去3年間で、8人の選手がプロ契約を結んでいます。これは異例の数字とも言えます。その中でも、U16チームからフォルトゥナで成長を遂げ、今ではトップチームで重要な役割を担っているアペルカンプ真大の活躍は特に喜ばしいものです」
この2年間、コロナパンデミックによって何度もリーグが中断となりました。NLZでの日常生活やピッチ上における選手たちのレベルなど、まだその影響はありますか?それとも完全に通常の状態に戻っていますか?
「ハードな言い方になりますが、選手たちは1年半を棒に振りました。これは今日の明日で補えるものではありません。その中で、私は来シーズンも15試合1ラウンドで12月までにほとんどが終了となる形でU17とU19のブンデスリーガを開催するというDFB (ドイツサッカー協会)の判断は理解できません」
2022/23シーズンに向けての抱負を聞かせください。1年後にまたここに座り、今シーズンが成功を収めたシーズンだったと言うためには何が必要となるのでしょうか?
「NLZからより多くの選手をプロに昇格させ、U23チームがリーグに残留し、アカデミーの選手たちが落ち着いたシーズンの進行を基盤としながら良い成長を遂げること。それができれば、今シーズンは成功を収めたと言えるでしょう」



