ボランティアに感謝!
ST. PAULIとのホームゲームでマッチデー・キャンペーンを開催
アマチュアサッカーにとって決して楽な時期ではない今、多くのクラブでは情熱的で献身的な人材が重要な役割を果たしている。ドイツのサッカー界では約160万人の方々がボランティアで活動しており、彼らがパンデミックの中でもクラブを率いて衛生面の規制を厳守し、2度のロックダウンを乗り越え、昨夏にアマチュアサッカーの再スタートを成功させた人たちである。だからこそ、毎年公式に表明されるボランティアの方々への感謝の気持ちが今回はより一層強調されている。これにより今回、フォルトゥナのホームゲームであるFC St. Pauli戦でも”ボランティアに感謝!”をモットーとしたマッチデー・キャンペーンを開催する。
ドイツサッカー協会は1997年からACTION EHRENAMTを通して、ボランティア活動を促進するための施策やキャンペーンを実施している。今年で22回目となる公式の”Danke ans Ehrenamt (ボランティアに感謝)”キャンペーンは、12月最初の2週の週末にマッチデー・キャンペーンという形で行われる。
140億ユーロの付加価値を生み出しているドイツのアマチュアサッカー
”ボランティアはプライスレス”をモットーに、ドイツでは通常の週末にサッカーの試合が約8万回も行われており、150万人以上の選手たちがプレーしている。リーグの開催は各協会が担当しているものの、それぞれの現場での試合運営やスポーツ施設の準備、審判の手配などは誰が行なっているのだろうか。また、チームのトレーニングや運営を行っているのは誰なのか。これはすべて、クラブに所属する約160万人のボランティアに方々よって行われている。今、特にこのような厳しい状況ではアマチュアクラブがサッカーの基盤となっており、今も昔もほとんどの村や町で、老若男女が集う最も重要な交流の場となっている。
UEFAはドイツのDeutsche Sporthochschule Köln (ケルン体育大学)をはじめとする10校の大学と協力し、”UEFA GROW SROI (Social Return on Invest)”という調査を行い、この活動の経済的価値を明らかにしている。2018/2019シーズンのデータによれば、ドイツのアマチュアサッカーが生み出す社会的・経済的価値は約140億ユーロにも達しているという。これはサッカーの人気、そしてボランティアを行う方々の継続的な活動の結果であり、それがサッカーの価値を伝えることだけでなく、価値を生み出すものであることを証明している。
アマチュアサッカーの価値を示したSROI調査の概要はこちらから (ドイツ語)。
ドイツサッカー協会(DFB)の試合運営・サッカー開発の副会長であり、フォルトゥナの監査役でもあるPeter Frymuth氏は、「サッカーは価値を伝えるだけでなく、価値を生み出すものでもあります。サスティナビリティです。このことは数字にも表れており、特にパンデミックの時期において、クラブのボランティア活動の偉大な功績は当然ではないということを常に心に留めておく必要があります。そして、これに対する感謝と認識の文化をさらに向上させることが、我々の社会における共通の課題です。なぜなら、ボランティア活動は今も昔も値段のつけられないほど貴重なものだからです」とコメントしている。
次のステップ:クラブが自らの価値を算出できるように
SROIを算出するため、科学者たちは経済、社会、健康という3つの主要分野の数値を使用している。全国的な結果は昨年すでに発表されており、ドイツサッカー協会(DFB)が公表している (ドイツ語)。そこでは、サッカーをプレーすることで病気のリスクが減り、その結果として約56億ユーロの医療費が削減されることもわかっている。また、アマチュアサッカーの用具やケータリング、旅費などで57億ユーロ以上が経済に流れ込んでおり、社会保障費は約26億ユーロ。アマチュアサッカーは世界で最も美しいだけでなく、最も価値のある娯楽でもあると言えるだろう。
このSROIモデルの拡張により、DFBの21の地域協会でもアマチュアサッカーの付加価値を個別に定量化できるようになった。次のステップは、すべてのアマチュアクラブがDFBnetのサポートを受け、自分たちの価値を簡単に計算し、それを自分たちの目的のために使用できるようにすることである。
全国的なアマチュアサッカーの社会的・経済的価値に関するデータは、スポーツ振興報告書と同じく3年ごとに発表されることとなっている。これにより、次回の調査は2022/2023シーズンに予定されており、その結果は2023年末に発表されることとなる。
その他、詳細はこちらから (ドイツ語)。



