「我々は危機をうまく乗り越え、前向きに未来を見据えることができている!」
2020/2021シーズンの年度末決算についてTHOMAS RÖTTGERMANN会長がコメント
フォルトゥナは会員総会への招待状とともに、年度末の決算数値と財務報告書をクラブ会員全員に公開した。インタビューに応じたThomas Röttgermann会長は、この数字がどのように評価されるべきかについて説明している。
クラブ会員はもうすでに読んだと思いますが、我々にも教えてください。2020/21シーズンの決算はどうでしたか?
「昨シーズンは最初から最後までコロナパンデミックの影響を受けました。しかし、今回の数字はこれまでのところ、危機をうまく乗り越えたことを示しています。過去2シーズンではパンデミックの影響だけでも、試合運営費、広告費、スポンサー費、メディア等の収入から、合計約1,800万ユーロを補わなければなりませんでした。それにもかかわらず、2019/20シーズンは黒字ゼロ、2020/21シーズンはわずか200万ユーロの赤字で幕を閉じることができました。パンデミックによる高額な収益損失を考慮し、また他クラブと比較しても、これは大成功と言えるでしょう」
赤字でも成功というのは矛盾しているようにも思いますが、なぜこの結果は成功したと言えるのですか?
「昨シーズンはホームゲーム1試合にしか観客を入れることができませんでした。無観客開催となったシーズンは、観客収入だけでなく、物品販売、マーケティング、ホスピタリティにも多大な影響を与えました。その中で我々は、皆が結束することでこれらの収入減が大きくならないようにしてきました。スポンサーや観客の方々には払い戻しを見送ることで貢献していただき、選手やスタッフも減給することで貢献してくれました。これは全て、素晴らしい結束を示すものです。それと同時に、我々は新しい収益方法を見つけ出し、物品販売では260万ユーロの売上を達成しました。これはパンデミック前の2部リーグでのシーズンよりも多く、プロモーションを含め、多くの売上を達成しています。アリーナでの物品販売ができず、ロックダウンでファンショップが1ヶ月間以上閉鎖されたにもかかわらず、これは素晴らしい数字です」
負債に関してはどうなっていますか?
「報告日である2020年6月30日と比較して、我々は負債を3分の1以上削減しました。しかし、これは論理的なことでもあります。状況がどうなるのか全くわからなかったパンデミックの初期段階では、おそらく他すべての企業もそうであるように、危機の中で最も重要である”現金を集める”ことを念に置き、支払いを延ばすことでその状況に対応しました。しかし、もちろん延ばした支払いは負債になります。その後、パンデミックの第2段階および第3段階において、延ばしていた支払いを計画通りに行ったため、それに伴う形で負債を減少させました。今はユースアカデミーセンターに関する資金の銀行負債があるだけです。責務返済、つまり金利などの返済は計画通りに行われています。そのため、銀行に対する負債も2021年6月30日時点で約380万ユーロまで減少しています」
他のクラブとも比較されていましたが、それに関してもう少し聞かせたください。
「私は他のクラブとの比較を強調したくはありません。なぜなら、基本的には自分自身、そして自分たちの成長に目を向けることの方がはるかに重要であり、周りが何をしているかに注目するのは重要ではないからです。しかし、今回に関しては1部リーグと2部リーグすべてのチームが昨シーズンと同じような劣悪な環境と戦わなければならなかったので、比較することは理にかなっていると言えます。その中で他クラブとの比較し、200万ユーロの損失で済んだのは非常に良い結果だと言えます。このことはDFLからもポジティブな評価を得ています」
多くのクラブがコロナ危機のより金銭面でローンを組まなければならなかったり、国からの補助金を受けなければなりませんでした。これはフォルトゥナでも一つのテーマとなりましたか?
「このコロナ危機がどのくらい続くのか、そしてそれが我々ブンデスリーガのクラブにどのくらいの打撃を与えるのか、当初は誰もわかりませんでした。そしてこれは我々全員に大きな衝撃を与え、もしリーグ打ち切りや試合中止という事態になっていれば、さらに大きな衝撃を与えていたことでしょう。また特に、外国のテレビ局が放送権料の支払いに応じるかどうかも長い間不明でした。そのため、我々はもちろん国からの補助金も活用し、クラブ存続のためのセーフティネットを張りました。 例えば、売上高の低迷により、国の「Überbrückungshilfe III (つなぎ融資)」の要件を満たしたことで、その申請も行いました。特に、チケット販売や物品販売など、ロックダウン中に活動が停止していた分野では、一部のスタッフを短時間勤務にしなければなりませんでした。さらに万一に備えて、Stadtsparkasseに当座貸越を設定し、KfW融資も申請しました。幸いこれまでのところはSportweltdealを1シーズン停止しただけで、ドイツ復興金融公庫 (KfW)からの融資も、StadtsparkasseからのKK融資も利用せずに済んでいます。」
説明しなければならないこと…
「Dr. Kölme氏と非常に協力的で実りある話し合いを行った結果、我々はSportweltとの契約を2020/21シーズンは”中断”し、支払いを行わなくていいようにしました。この契約は、2023年にSportweltとの契約が実際に終了した後、1年追加されるだけで、我々が追加でリスクを負う必要はありません」
前年度の数字と比べて、最も大きな違いは何ですか?一番大きな変化は何でしたか?
「ブンデスリーガでプレーした2年前、パンデミックの影響を受けたのはシーズン後半になってからだったことを考えてみてください。これが比較する上での大きなポイントとなります。ブンデスリーガ1部の年に比べて、昨シーズンは放映権収入だけでも1300万ユーロ近く少なくなりました。また、2019/20シーズンの広告収入は、リーグへの加盟やパンデミックの影響が軽微であったことから1,000万ユーロ近く増加しました。このことからも、両リーグの大きな違いが見えてきます」
また、世間ではクラブの資本金についても話題となりました。これに関して、2020/21シーズン後の決算報告ではどうでしょうか?
「前述の損失も含めた結果、我々クラブの資本金は502万ユーロ (前年度:703万ユーロ)となりました。それでも、全体的なバランスシートの合計が大幅に減少しているため、クラブの自己資本比率は17.4% (2020年6月30日:15.8%)に増加しています。フォルトゥナは危機の中でも十分な資本を維持しているため、目標に向かって一貫して尽力を続け、前向きに未来を見据えることができています」
未来に関して、現在の2021/22シーズン、フォルトゥナはどのような結果になることを計画していますか?
「パンデミックの影響を受けなければ、今年度は良好な結果が得られると考えています。もちろん、その結果はスポーツ面での成績やそれに伴うボーナスなどと密接に関連しています。しかし、パンデミックのさらなる進行状況も結果に影響を与えることは間違いありません。それでも我々の活動と、会員、委員会、スタッフ、ファン、スポンサー、サービス業者など、フォルトゥナに関わるすべての方のサポートがあるからこそ、我々は楽観的になれますし、何かに隠れる必要もありません。」
その他、クラブ会員は年度末決済の詳細を会員総会へのログインエリアから確認することが可能となっている。



