不本意なシーズンスタート
対戦相手チェック:今季まだ流れを掴めていないチーム
昨季、ブンデスリーガへの昇格を逃したOle Werner監督率いるチームは、今シーズン不本意なスタートを切っており、8月20日にデュッセルドルフで行われるアウェー戦で今季初勝利を挙げたいと考えている (18:30キックオフ)。ここでは、そんな次の対戦相手を詳しくチェックしていく。
チャンピオンズリーグ覇者を倒したチーム
”Störche”ことKielは、今年初めにおそらくクラブの最近の歴史の中でも最大の快挙を成し遂げていた。昨季のドイツ杯第2回戦、Holsteinは雪の舞うKielにて大会3連覇中だったBayern Münchenを下して次へと駒を進めた。後半ロスタイム5分にHauke Wahlが同点弾で2-2とし、試合は延長戦に突入したことで”キールの奇跡”が現実のものとなる。スコアレスの延長戦の後、Bartelsをはじめとする選手たちはPK戦を制し、2回戦を突破。その勢いで次のDarmstadt戦、Essen戦と勝利を重ね、Kielファンはベルリンでの決勝戦を夢見ていたものの、準決勝でBorussia Dortmundに0-5で敗れ、Holsteinの記念すべきカップ戦は幕を閉じていた。なお、今季の第1回戦はレギオナルリーガ・ノルド (4部) に所属するWeiche Flensburgとのダービーとなり、延長戦の末Kielが4-2で勝利し、2回戦進出を決めている。
痛い主力選手の退団
昨シーズンは成功に終わったものの、チームはこの夏に何人かの主力選手に別れを告げなければならなかった。3年間HolsteinでプレーしたJae-sung LeeがMainzへ移籍。この韓国人MFは昨シーズン、2部リーグで1試合を除いて全ての試合に出場し、13得点を挙げる活躍でチームの成功に大きく貢献していた。また、Hamburger SVに移籍したJonas Meffertも2020/21シーズンのリーグ戦全試合に先発出場したチームの中心選手だった。さらに、昨シーズン素晴らしいパフォーマンスを見せたセンターフォワードのJanni Serraも、今季からArminia Bielefeldでプレーしている。Serraは昨季、Fin Bartelsと並ぶチームのトップスコアラーとして13得点を挙げていた。
入れ替え戦での不運
2017年にブンデスリーガ2部に昇格したKielは、その次の年にもブンデスリーガへの入れ替え戦の切符を手にしていた。フォルトゥナ、1. FC Nürnbergに次いで3位に入った”Störche”は、入れ替え戦でVfL Wolfsburgと激突。しかし、Volkswagen Arenaで行われたファーストレグでは1-3で敗れ、ホームの大観衆の前でのセカンドレグにも0-1で敗れたため、あと一歩のところで昇格を逃していた。その後、Kielは2部リーグでの地位を確立し、2シーズンを中堅の順位で終え流ことに。そして昨シーズン、再び3位でシーズンを終えたHolsteinは2度目の入れ替え戦の切符を手にする。1. FC Kölnとのファーストレグには1-0で勝利を収めたものの、シーズン中にチームからコロナ感染者が出たことで数回に及ぶ隔離を余儀なくされていたKielは、シーズン終盤に35日間で11試合を行うハードスケジュールを強いられたこともあり、セカンドレグでは息切れ。試合は1-5で敗れ、惜しくも1部昇格を逃していた。
勝ち点と得点
現在”Störche”は3試合を終えた時点で、勝ち点0ポイント・無失点で最下位となっている。ここまでのSt. Pauli、Schalke、Regensburgとの対戦にはすべて0-3で敗れ、3連敗。不本意なシーズンスタートを切ったOle Werner監督は「デュッセルドルフで勝ち点を獲得できなければ、長く険しい道のりになるでしょう」とコメントしている。そのためにも、Fiete Arp、元フォルトゥナの選手であるSteven Skrzybski、Patrick Errasなど、これまでブンデスリーガでの経験がある選手たちが、クラブを去ったLeeなどの主力選手の穴を埋めることが期待されている。また、ディフェンス面でもキャプテンのWahlやベテランのTheskerを中心に、熟練されたHolsteinの守備陣が以前のような強さを取り戻すのは時間の問題かもしれない。



