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2021/06/05 | ニュース

「音声配信の後すぐにシーズンチケットが届いた」

10年に渡りブラインド・ルポルタージュのリスナーであるLAMMERS夫婦

フォルトゥナは2011年から目の不自由なファンのために、ホームゲームの音声配信を提供している。そして、このブラインド・ルポルタージュのプロジェクトを10年前から利用しているフォルトゥナサポーターの1人が、妻のSabine氏と一緒に試合を楽しむThomas Lammers氏だ。それ以来、Thomas Lammers氏は新しい方法でフォルトゥナの試合を体験している。

ここ最近、フォルトゥナのファンである2人はデュッセルドルフのフリンガーン地区に住み始めた。デュッセルドルフ出身のThomas Lammers氏(61歳)は生まれたときから緑内障を患っており、16歳のときに完全に失明してしまう。しかし、それでも彼はフォルトゥナの試合に足を運び続けていた。Lammers氏は「私は50年来のファンです。昔はいつもRheinstadionに忍び込んでいました。私の叔母が隣にあるプールで働いていて、ホームゲームの日には彼女がスタジアムのゲートへの鍵を開けてくれたので、私と弟は入ることができたんです。試合が終わった後はマラソンゲートから抜け出していました」と当時について語る。

 

このようにしてフォルトゥナの試合を何度も観戦していたLammers氏だったが、当時は音声放送がなかったことが唯一の問題であった。それでもいつもスタジアムに足を運んでいた彼は「シャルケやバイエルンとの対戦の時は、その素晴らしい雰囲気を楽しめたので、常に足を運んだかいがありました。3部リーグ、4部リーグの時もスタジアムへ行きましたが、その時は残念ながらあまり人がいませんでした」と振り返る。その後、彼は妻もフォルトゥナに熱狂させ、それからは2人でスタジアムに通うようになったと言う。彼がSabine氏と出会ったのは今から30年前。彼女は盲目であった同僚と共に盲学校の学生集会に訪れ、そこで未来の夫と出会っていた。

 

そして2011年、Lammers氏にとってスタジアムでの体験が突然変わる。ブラインド協会からフォルトゥナが音声配信のテストをしたいという情報を得た彼は、妻と一緒に被験者として登録した。Lammers氏は「2回のテスト配信がありましたが、我々はすぐに素晴らしい仕事をしてくれたと思いました。彼らはリアルを届けてくれます。もしフォルトゥナがうまくプレーできていない時も、その通りに伝えてくれるんです。ラジオのコメンテーターとは全く違います。その音声配信の後、すぐにシーズンチケットが届きました」と嬉しそうに振り返った。

 

しかし2017年、この夫婦に大きな変化が訪れる。Sabine氏が病院で働いているときに大怪我を負い、それからというもの彼女は車椅子生活を送らなければならなくなってしまう。これにより、彼女はスタジアムの階段を上がれなくなったことで、2人は心を痛めながらもシーズンチケットを手放すことに。そこでフォルトゥナのインクルージョンを担当するStefan Felixプロジェクトマネージャーが、この夫婦に直接連絡を取った。Lammers氏は「彼は我々を助けてくれました。私の妻は車椅子用のシーズンチケットを受け取り、彼はブラインドシートのチケット10枚のうち1枚を私のために用意してくれました。彼は新しいブラインド・シーズンチケットが入手可能になったとき、すぐ私に連絡をくれたんです」と説明。毎回、試合前に知人が車でスタジアムの地下駐車場まで送ってもらい、そこからエレベータで上へ。試合終了後には飲みに行ったりもしていた。

 

コロナパンデミックの間、自宅でフォルトゥナの試合を観戦していたLammers夫婦は「家ではビールやジュースを飲みながら、もちろん音声配信をオンにして試合を観戦していました」と語る。

 

ブラインド・ルポルタージュを10年間続けてきたThomas Lammers氏は、特に2つの試合を覚えていると言う。そして、その2試合はどちらもブンデスリーガで戦った2018/19シーズンの試合だ。Lammers氏は「Borussia Dortmundに2-1で勝利した試合がすぐに思い浮かびます!フォルトゥナは不調が続ていた時で、すでに多くの人が降格の話をしていました。しかし、その試合で見せたチームのパフォーマンスは素晴らしいものでした。また、後期にはBorussia Mönchengladbachに3-1で勝利しましたね。あの試合は開始15分で3ゴールを奪ったんですよ。あの日はとても良い天気で、選手たちが素晴らしい試合をしてくれました」と熱心に語った。

 

来シーズン、この2人はできる限り頻繁にスタジアムを訪れたいと考えている。そして、フォルトゥナのブラインド・ルポルタージュはLammers氏を始めとする多くの視覚障害者のフォルトゥナファンにとって、再びかけがえのないスタジアムの一部となるだろう。

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