2部の常連やリーグの”DINO”などの伝統クラブ
対戦相手チェック-パート2:2021/22シーズンのブンデスリーガ2部
2021/22シーズンの対戦相手チェック-パート2では、昨シーズンの2部リーグを7位から12位で終えたクラブを紹介していく。その中には、2部リーグの”Dino (恐竜)”や奇妙な形で昨シーズンを後にしたクラブを始め、伝統あるビッグクラブの数々が名を連ねる。
SV Darmstadt 98
昨シーズンの順位:7位|監督:未定|スタジアム:Merck-Stadion am Böllenfalltor
今週火曜日、これまでチームの指揮をとっていたMarkus Anfang監督が来季のライバルであるWerder Bremenの監督に就任することが発表された。彼の後任についてはまだ決定していない。さらにDarmstadtは後期の好調ぶりを含め、チームの大きな役割を担っていた選手を失うこととなる。Darmstadtがシーズンを通して挙げた63ゴールの内27ゴールを決め、ブンデスリーガ2部の得点王に輝いたSerdar Dursunの契約がこの夏で満了となる。それでも”Lilien”ことDarmstadtは、ここ数週間の勢いを来シーズンに繋げたいと考えている。”Lilien”は3月以降、フォルトゥナに喫した1敗を除き、他10試合すべてに勝利を収めていた。
1. FC Heidenheim
昨シーズンの順位:8位|監督:Frank Schmidt|スタジアム:Voith-Arena
Heidenheimは2014/15シーズンからブンデスリーガ2部に定着しており、Frank Schmidt監督はそれ以前から長い間チームの指揮をとっている。47歳の同監督にとって来シーズンは、FC Heidenheimでの15シーズン目となり、ドイツ国内で彼よりも長く同じクラブで指揮をとっているプロの監督は存在しない。昨年の春、1部への昇格を掛けた入れ替え戦で惜しくもSV Werder Bremenに敗れたHeidenheimにとって、主力選手が抜けたこともあり、昨シーズンは少し調子を落としたシーズンだったと言えるだろう。それでも、新加入選手として1. FC Kaiserslauternから獲得したChristian Kühlwetterは、13ゴールを挙げる活躍でチームの得点王に輝いている。しかし、この夏にはキャプテンであり、クラブのレジェンドでもあるMarc Schnattererが13年間在籍したクラブを去ることが決定している。Schnattererは昨シーズン、ジョーカーとして29試合に出場していた。
SC Paderborn
昨シーズンの順位:9位|監督:Lukas Kwasniok|スタジアム:Benteler-ArenaSC
Paderbornが2年連続で再び同じリーグで戦うのは数年ぶりのこととなる。前回は2017/18シーズン、Paderbornは降格が決まっていたものの、TSV 1860 Münchenがライセンスを更新できなかったため、リーグ残留が認められていた。また来シーズンは、4年間に渡りチームを大きく成長させたSteffen Baumgart監督がクラブを去ることとなっており、彼の後任として1. FC SaarbrückenからLukas Kwasniok監督がPaderborn新監督に就任している。Kwasniok監督はBaumgart前監督と同様に、攻撃的なサッカーを掲げる指揮官だ。昨シーズン、Paderbornはリーグで3番目のポゼッション率を誇るチームとなっていたものの、その優位性を結果に結びつけることができないことが多く、リーグで最も素晴らしいサッカーを繰り広げるチームの1つが最終的に9位に終わっていた。
FC St. Pauli
昨シーズンの順位:10位|監督:Timo Schultz|スタジアム:Millerntor-Stadion
フォルトゥナは来シーズンも再び2回ハンブルグでのアウェー戦に臨むこととなる。FC St. Pauliは2011/12シーズンからブンデスリーガ2部の常連となり、現在の2部リーグの中では”Dino (恐竜)”のような存在となっている。昨シーズン、前期では厳しい状況を強いられていたチームだったが、クラブの首脳陣はそんな状況の中でもTimo Schultz監督への信頼を示していた。そして、この判断が功を奏す。今年に入り、”Kiezkicker”ことSt. Pauliは凄まじい追い上げを見せ、一気に上位へ浮上。特にストライカーのGuido Burgstallerは、7試合連続で得点するなど絶好調をキープしていた。St. Pauliは後期だけで勝ち点39ポイントを獲得し、これよりも多くの勝ち点を獲得したのはVfL BochumとSpVgg Greuther Fürthのみとなっている。シーズン終盤、そんなFürthを相手に勝ち点3を獲得したものの、最後の3試合には勝利することができず、最終的には10位でシーズンを終えている。来シーズンはSt. Pauliを警戒する必要があるだろう。
1. FC Nürnberg
昨シーズンの順位:11位|監督:Robert Klauß|スタジアム:Max-Morlock-Stadion
ブンデスリーガ2部のビッグネームの1つといえば、1. FC Nürnbergだ。”Franken”ことNürnbergはドイツ選手権 (ブンデスリーガ創立前のドイツリーグ)9回、ドイツ杯4回、2部リーグ優勝4回のタイトルを獲得している伝統クラブである。しかし、2018/19シーズンに2部リーグへ降格して以来、Nürnbergにとってはなかなか思い通りにいかない状況が続いている。2年前にFC Ingolstadtの入れ替え戦に臨んだNürnbergは、Fabian Schleusenerのラストミニッツゴールによりなんとか3部リーグへの降格を免れていた。また、昨シーズンの前期も不調が続いていたが、今年2月から良い結果を残しており、最後の15試合で勝ち点24ポイントを獲得していた。
Erzgebirge Aue
昨シーズンの順位:12位|監督:未定|スタジアム:Erzgebirgsstadion
FC Erzgebirge Aueが来シーズンを新しい監督でスタートさせることはシーズン終盤で明確となった。クラブは先週の日曜日にDirk Schuster監督と別々の道を歩むことを発表。第32節のSC Paderborn戦、ホームで3-8という歴史的大敗を喫した後、Schuster監督とSascha Franzコーチが病欠していたことで、シーズン最後の2試合はMarc Henselコーチがチームの指揮を執っていた。”Veilchen”ことAueにとっては非常に奇妙なシーズンの終わり方となったものの、リーグではコンスタントな結果を残している。これにはPascal Testroet (12ゴール)とFlorian Krüger (11ゴール)が大きな役割を果たしたと言えるだろう。なお、ブンデスリーガ2部のシーズンで2人の選手が2桁の得点を記録したのは、クラブ史上初のこととなる。さらに、Dimitrij Nazarovも8ゴールをマークしており、Aueが挙げた44ゴールの内31ゴールはこの3人によるものとなっている。



