フォルトゥナの進む道:”Fortuna für alle”1年目の総括
2024/25シーズンに入場料無料で開催するホームゲームを発表
2023年4月、フォルトゥナは新たな戦略的方向性”Fortuna für alle”を発表した。あれから1年以上が経過した今、Flingernの伝統クラブが”Fortuna für alle”1年目を総括。そして、2024/25シーズンもこの方針を一貫して追求し続け、今季は入場料無料で開催するホームゲームを合計4試合行うことに。
フォルトゥナのAlexander Jobst会長は、「我々は”このままを継続”していくことはオプションにないと強調してきました。急激なコストの上昇と放映権収入の減少がそれを裏付けています。”Fortuna für alle”がなければ、おそらく今日、我々は難しい決断を迫られていたことでしょう」と強調。続けて「 これは我々がクラブとして、どのようにドイツのプロサッカー界の課題に対応し、再び1部でプレーしたいのかということに対する答えです」とコメント。1年目を振り返り、この新たな道が良い方に進んでいることは間違いないが、もちろんまだいくつかやるべきステップがある。
”Fortuna für alle”は様々な分野の数字、データ等でクラブにポジティブな影響を与えている。
フォルトゥナへの好感度
- シーズン終了後に行われた全クラブ会員を対象とした調査では、70%のフォルトゥナファンが”Fortuna für alle”をポジティブに捉えており、ネガティブと答えたのは僅か9%。Jobst会長は「我々の目標はこの9%の人たちにも納得してもらうことです」とコメント。
- 回答者の62%がフォルトゥナへ対する見方がポジティブになっている。
- フォルトゥナは、よりクリエイティブで(22%増)、よりサステナブルで(12%)、より信頼があり(14%)、より地に足がついていて(13%)、より進歩的(18%)だと認識されている。
チケッティングの素晴らしい数字
- 入場料無料で開催したホームゲームのチケット申し込み数は35万枚以上。
- No-Show-Rateの平均観客数が”通常”のシーズンよりも減少。
- スタジアムにほとんど来たことがなかった人や一度も来たことのなかった人の70%が、また来たいと回答。「我々は特に若者たちやスタジアムに訪れることが金銭的な問題で難しかった人たちなど、新しいターゲットグループにも試合観戦ができる機会を提供できています」とJobst会長。
- 昨シーズン、フォルトゥナはホームゲーム3試合を入場料無料で開催したが、チケット収入は28%増加。
- 2024/25シーズンのシーズンチケットを確保した人が昨シーズンより19%増加。
その他多くの分野で成長
- スポンサー収入(45%)と物品販売収入(44%)が大幅に増加。
- フォルトゥナのクラブ会員数は現在、3万3千人を超えている。この会員数は昨年より20%増加しており、クラブ史上最高のクラブ会員数を記録!
長期的なパートナーシップが非常に大きなサポートに
- 「”Fortuna für alle”がなければ考えられないような企業をスポンサーとして獲得できました」とJobst会長。
- 胸スポンサーと袖スポンサー、そしてキットサプライヤーとの契約はすべて少なくとも2028年まで継続。 つまり安全性のあるプランが可能。
- しかし、Jobst会長はクラブが直面している課題も強調しており、「我々が目標を達成するためには、より多くのパートナーが必要です。これは間違いありません。我々はこの種のスポンサーシップを企業に納得してもらうのがいかに難しいかを認識しています。忍耐が必要となります!」とコメント。
- フォルトゥナはデュッセルドルフの企業とのパートナーシップ締結にも力を入れている。これはファンの明確な願いでもあり、ファンの89%がデュッセルドルフの大企業がクラブをサポートすることが重要だと考えている。「もちろん我々もそれを望んでいますし、時間は必要ですが我々が進むと決めた道への信頼も高まっています。その上で、デュッセルドルフ市との信頼関係は様々な面で我々を助けてくれています」とJobst会長。
- デュッセルドルフ市とフォルトゥナは共同のマーケティングモデルを導入し、アリーナの強力なパートナーとの最終交渉の段階に入っている。フォルトゥナは2024年春以来、一般エリアのケータリングからも収入を得ている。
- フォルトゥナは”Wegbereiter”であるHPEとともに、アリーナをデジタル化したいと考えており、これについても話し合いが進んでいる。
社会貢献と大衆スポーツの推進
- ”Fortuna für alle”は入場料無料で開催するホームゲームだけではなく、クラブ全体がその恩恵を受けることとなる。例えば女子チーム (トップチーム&U17チーム)は、ここ2年間ですでに3度の昇格を果たし、胸スポンサーにTEEKANNEを獲得。一方で、現在も女子チームとの独占的な提携を希望する他のパートナーとも話が進んでいる。
- 今シーズンから再始動したフォルトゥナ・サッカースクールには大きな人気が集まっており、この夏のサマーキャンプはすでに空きがない状態となっている。
- ”Fortuna für alle”により、デュッセルドルフの社会的コミットメントも促進。例えば、Common Groundはデュッセルドルフの学校から集まった100人の子どもたちがストリートサッカーフェスティバルを開催。近い将来には、反人種差別イニシアチブ”Switch the Pitch”も開催される。
2024/25シーズンに入場料無料で開催するホームゲームは以下の4試合
2024/25シーズン、フォルトゥナは入場料無料で開催するホームゲームを4試合予定している。Jobst会長は「この試合数は、できるだけ多くの人に試合を観戦してもらい、同時に競争力のある相手との試合を選択するという我々の目的とのバランスの両方を考慮したものです」とコメント。クラブは対戦相手を選ぶ際、魅力的な対戦相手で新たなファンを獲得したいと考える一方で、サポーターからの観客動員数が少ないチームとの試合を選んで欲しいという要望にも応えたいと考えている。これはファンの55%のファンが支持。そのため、2024/25シーズンに入場料無料で開始するホームゲームは以下の4試合に決定した。
- 第8節:Fortuna Düsseldorf – Hamburger SV (2024年10月4日 - 6日)
- 第13節:Fortuna Düsseldorf – SV Elversberg (2024年11月22日 - 24日)
- 第18節: Fortuna Düsseldorf – SV Darmstadt 98 (2025年1月17日 - 19日)
- 第28節:Fortuna Düsseldorf – Preußen Münster (2025年4月4日 - 6日)
昨シーズン同様に、入場料無料で開催するホームゲームのチケット申し込みについては、試合の数日前に詳細が発表されることとなる。