田中碧、アペルカンプ真大、内野貴史
今年一年の振り返り-日本特別編:2022年の日本人トリオの活躍
2022年を振り返る上で、フォルトゥナに所属する日本人選手3人の活躍を語らずにはいられない。そこで今年は特別に、“2022年の振り返り-日本特別編”として田中碧、アペルカンプ真大、内野貴史の活躍を振り返っていく。
フォルトゥナ史上初:日本人3人が同時出場
今年3月、フォルトゥナはチーム内で発生したクラスターにより、急遽U23チームから6人、U19チームから1人の選手をトップチームに補充してSC Paderbornとのアウェー戦に臨むことに。そしてこの試合には、この日キャプテンを務めたアペルカンプ真大、中盤の要である田中碧、そしてU23チーム所属でプロデビューを飾った内野貴史の日本人3人が同時出場。フォルトゥナで日本人3人が同時にピッチに立ったのは、これがクラブ史上初となった。なお、試合は日本人トリオの活躍、そしてチームがアウェーに駆けつけたファンとひとつになり、危機的状況の中でもSC Paderbornを相手に貴重な勝ち点1を獲得することに成功した。
田中碧を完全移籍で獲得
4月27日、フォルトゥナは川崎フロンターレからレンタル移籍となっていた田中碧を完全移籍で獲得した。デュッセルドルフは日本代表MFと2025年6月30日までの3年契約を締結。この契約後、田中は「フォルトゥナは初日から自分を受け入れてくれましたし、このクラブは日本からヨーロッパへの大きなステップを可能な限り容易にしてくれました。デュッセルドルフはとても居心地が良いですし、これからより多くのゴールやアシストでチームの成功に貢献できればと思います」とコメントしていた。
アペルカンプ真大が好調をキープ
フォルトゥナのアカデミーで成長を遂げ、現在トップチームの中心選手として活躍を続けるアペルカンプ真大が、今年も大きな存在感を発揮。チームや監督コーチ陣からの信頼も厚く、日本人3人が同時出場を果たした3月のPaderborn戦では、21歳の若さにしてキャプテンを任され、ピッチの上でチームを牽引した。2022/23シーズンも好調をキープしており、前半戦すべての試合に出場し、これまで4得点4アシストをマークするなど、今季もチームに欠かせない存在となっている。
日本代表がMerkur Spiel Arenaで国際親善試合を実施
フォルトゥナが日本サッカー協会(JFA)の開催する国際親善試合をサポートすることに。9月末、フォルトゥナのMF田中碧を擁するSAMURAIBURUEは、カタールW杯に向けた最終調整として、フォルトゥナのホームスタジアムであるMerkur Spiel-Arenaにてアメリカ代表、エクアドル代表との2回の強化試合を実施。田中は初戦の2-0で勝利を挙げたアメリカ戦では出場機会が訪れなかったものの、2戦目のエクアドル戦 (0-0)には先発フル出場。そして、この試合にはフォルトゥナのトップチームが全員で応援に駆けつけ、スタンドから田中にエールを送った。また、アリーナにはデュッセルドルフに住む多くの日本人の方々が訪れ、日本のホームのような雰囲気の中で試合が行われた。
内野貴史がプロ契約にサイン
ジェフユナイテッド千葉のアカデミュー出身の内野貴史は、若くして渡独し、着実にステップアップを続けてきた苦労人。2021年にAlemannia AachenからフォルトゥナのU23チームへ移籍した内野は、今年3月のPaderborn戦、チームの危機にトップチームで出場するチャンスを得ると、ブンデスリーガ2部デビュー戦で堂々たるパフォーマンスを発揮。この試合での活躍もあり、その後にはU21日本代表にも選出された。そして10月25日、そんな若きサイドバックがついに自身初のプロ契約を結ぶこととなった。内野はプロ契約にサイン後、「プロになるためにドイツに来たので、その夢が叶ったことを嬉しく思います。フォルトゥナはすごく居心地が良いですし、こうしてプロ契約を勝ち取れたことを誇りに思います。僕を信じ、選手として成長させてくれたクラブのみんなに感謝しています。ただ、ここがゴールではないので、またここから頑張ります」とコメントしていた。
田中碧がW杯で大活躍
日本代表のメンバーとしてカタールW杯に出場したフォルトゥナのMF田中碧。まず、グループリーグ初戦となるドイツ代表戦でスタメンに名を連ねると、劇的な2-1での歴史的勝利に貢献。そして、0-1と悔しい敗戦を喫した2戦目のコスタリカ戦には出場機会が訪れなかったものの、運命を左右する3戦目のスペイン戦には再びスタメンで出場。そしてこの試合、後半に田中が日本を決勝トーナメントへ導く劇的な逆転ゴールを決め、スペイン代表を2-1で下し、日本代表のノックアウトステージ進出の立役者となった。また、田中はこの試合のマン・オブ・ザ・マッチにも輝いた。そして迎えた決勝トーナメント第1回戦、前回大会準優勝のクロアチア代表と対戦した日本代表は、終始互角の戦いを繰り広げたものの、最終的にはPK戦の末、ベスト16で敗退を喫することとなった。それでも、大きな感動を与えてくれた田中碧とサッカー日本代表に感謝すると共に、次の大会での更なる活躍を願っている。