西ドイツの因縁対決

#BOCF95を前に過去のVFL BOCHUMとの対戦を振り返る

1963年にブンデスリーガが創設されて以来、フォルトゥナはVfL Bochumと68回も対戦しており、Bochum以上に対戦したクラブは1つもない。伝統を持つ西ドイツの両クラブは、1960年代後半にはレギオナルリーガ・ウェスト、その後はブンデスリーガやドイツ杯などで激闘を繰り広げてきた。なお、Bochumとフォルトゥナの対戦は2010年以降、ブンデスリーガ2部のみで行われている。ここではそんな両クラブの過去の対戦を振り返っていく。

1975年12月：クリスマス前の再決戦

時代もルールも違う45年前のドイツ杯ではPK戦が行われていなかったため、120分を過ぎても決着がつかなければ、試合を持ち越しての再決戦方式が適応されていた。そしてドイツ杯第3回戦、まさにこれがフォルトゥナとBochumの勝負を決めることとなる。90分を終えた時点での結果は3-3。延長戦で、現在バイエルンのコーチを務めるHermann GerlandがBochumに追加点をもたらすも、117分にWerner Krieglerの得点でフォルトゥナが同点に追いつき4-4となった試合は、その数日後の12月17日に1-1の引き分けから再決戦が行われた。なお、この再決戦ではDieter HerzogとWolfgang Seelが得点を挙げ、フォルトゥナが勝利を収めている。

 

1985年10月：Bochumがリベンジ

その10年後、再びフォルトゥナとBochumがドイツ杯で激突すると、再び再決戦までもつれこむことに。デュッセルドルフで行われたこの一戦は、延長戦を含む120分を終え1-1でタイムアップ。その2週間後、Castroper Straßeにて再決戦が行われたが、そこではBochumがPK戦の末5-3で勝利し、10年前のリベンジを果たした。それ以来、フォルトゥナとBochumはドイツ杯では1度しか対戦しておらず、2005年の対戦ではフォルトゥナがホームで敗れ、1回戦敗退となっている。

 

1991年5月：Rheinstadionでの激闘

1990/91シーズンのブンデスリーガ第32節での一戦は、フォルトゥナとBochumの間における最も激しい撃ち合いとなった。フォルトゥナはホームのRheinstadionで素晴らしい立ち上がりを見せ、試合開始から僅か3分後にJörn Andersenが先制点を奪うと、その30分後にはフォルトゥナが3-0とリードを広げる。しかし、試合はまだ終わっていなかった。Bochumは3失点目を喫したの5分後に1点を返し、反撃の狼煙を上げると、後半69分には4-3と逆転に成功。フォルトゥナは試合終了のホイッスルが鳴るまで諦めずに戦うも、追加点を上げることができず、苦い逆転負けを喫することとなった。なお、この試合終了後には、両チーム共にリーグ残留を決めている。

 

2011年7月：Röslerの月間ベストゴール

2011/12シーズンの様にシーズンをスタートできれば、昇格はほぼ確実と言っても過言ではないだろう。Andreas „Lumpi“ LambertzからSascha Röslerにクロスボールが渡ると、Röslerはこれをオーバーヘッドキックでスーパーゴールを決めてみせる。このゴールは、後にARD-Sportschauの”月間ベストゴール”に選ばれることとなった。その7年半後、フォルトゥナの選手からもう1人、Jean ZimmerがホームのBortmund戦で挙げたスーパーゴールが”月間ベストゴール”に選ばれている。ちなみに2011年7月のBochum戦は、後半にThomas Brökerが追加点を挙げ、フォルトゥナが2-0で勝利している。そして何より、2011/12シーズンはデュッセルドルフ市庁舎のバルコニーでの昇格パーティーで、最高の形で幕を閉じることとなった…。

 

2017年3月：Bebouのラストミニッツゴール

2017年の春はフォルトゥナにとって厳しい時期となり、9試合連続で白星なしという状況の中、ブンデスリーガ2部の下位まで順位を落としていた。そんな中で迎えたRuhrstadionでのナイトゲーム、ついにフォルトゥナが長いトンネルから抜け出すことに成功する。試合はPeniel Mlapaのゴールで先制を許すも、試合前に無得点が続いており批判を浴びていたRouwen Henningsが後半立ち上がりに1-1の同点弾をマーク。そして、このまま試合終了かと思われた試合終了間際、フォルトゥナが劇的ゴールを奪う事に成功する。途中交代で入ったIhlas Bebouが、90分に相手ペナルティエリア内で倒されPKを獲得すると、これを自らが決め、フォルトゥナが10試合ぶりとなる勝利を掴み取った。この勝利で流れを引き戻したフォルトゥナは、最終的にリーグ残留も果たしている。