(ほとんど)描かれたような一戦!
HSV戦で復帰を果たしたADAM BODZEKにフォーカス
結果的に1-1でタイムアップを迎えたフォルトゥナ対Hamburger SVの一戦は、いろいろな意味で悔しさが残る試合となった。一つは、良いパフォーマンスを見せたフォルトゥナが、最後のアクションで勝ち点2ポイントを失ってしまったこと。もう一つは、この引き分けがフォルトゥナのレジェンドの夢のような復帰戦に、花を添えることができなかったことだ。ここでは、そんなキャプテンAdam Bodzekにフォーカスしていく。
昨年の12月3日、Adam BodzekはDarmstadtとのアウェー戦で負傷し、途中交代を余儀なくされる。空中戦で相手と衝突したキャプテンは、お腹を抑えて倒れ込んだ。そして、試合後の診断で肋骨が数本折れていることが判明。これまでに肋骨を痛めたことのある人であれば、たとえ打撲程度の負傷でも、この怪我が完治するのに時間がかかること、そして何よりこの痛みを知っているはずだ。
36歳という年齢でこのような挫折に直面した時、キャリアを終えようと思う人も多いかもしれない。しかし、Bodzekは違った。数ヶ月のリハビリを経て、フォルトゥナのキャプテンはチームに復帰し、土曜日に行われたHSV戦で再びメンバー入りを果たしていた。後半途中、Edgar Pribが負傷交代となり、Marcel SobottkaとJakub Piotrowskiが欠場したことで中盤が手薄になっていたため、”Bodze”は予想よりも早くリーグ戦に復帰を果たし、3万人以上の観客から大きな喝采を浴びることとなった。
冷静さと正確さを兼ね備えたシュート
すると85分、そんなキャプテンがフォルトゥナに先制点をもたらす。Khaled Nareyからのコーナーキックに反応したBodzekが右足で狙い澄ましたシュートを放つと、相手GKのDaniel Heuer Fernandesも反応できず、ゴールネットを揺らして見せた。これでMerkur Spiel-Arenaの熱気は最高潮に。また、フォルトゥナはその前にもいくつかのビッグチャンスを作り出していただけに、このゴールの喜びは大きかった。試合後、Edgar Pribは11年間に渡りフォルトゥナでプレーしているキャプテンのゴールに対し、「Bodzeのゴールは本当に素晴らしかったです。彼は経験が豊富です。天才的でした」とコメント。また、後味こそ良くなかったものの、もちろん本人も自身の得点に喜びを見せ、「もちろん私はRouwenのように常に得点ランキングに入るような選手ではないので、こうしてまた得点できたことは嬉しいです。しかし、現時点では同点ゴールを喫した悔しさが勝っています」とコメントしていた。
それでも結果として残ったのは、フォルトゥナが獲得した勝ち点1、チームが見せた素晴らしいパフォーマンス、そしてフォルトゥナのファンの記憶に長く残るであろう、この決して簡単ではシーズンにおける特別な瞬間だった。